我々を乗せたブラックカイザーは静かに「下の赤瀬」を離れ進路を南に取る・・・。
「下の赤瀬」から南にある瀬はひとつ・・・数多の釣り師が憧れる男女群島が誇る、名礁「サメ瀬」である。
ブラックカイザーに揺られる事、約5分・・・スロースピードで航行するカイザーは「サメ瀬」を形成する「大ザメ」「小ザメ」のひとつである「小ザメ」にホースヘッドを押し付けた。 そこには、アラを釣らせたら日本で1番!・・・っと魚秋さんに言わせしめたH名人がおられ、同礁のご挨拶をして話を伺うと、ヘラクレスで来られ朝の回収を待っているとの事・・・。 リポビタンDと「頑張って釣ってよ〜!」のありがたい激励をいただき、2年ぶりの「小サメ」にて釣りを開始・・・。
さすがにスーパーステージ・・・竿はスグに曲がる。 ψ(`∇´)ψ ケケケッ
食ってきたのは尾長ならぬ口太君・・・それも、サメ瀬に似合わぬ小型であった。
午前9時・・・只今、上げ潮の真っ最中! ゴンゴンと流れる本流に適当にコマセを入れて、これまた適当に仕掛けを放り込めば、ほぼ、一投毎にクチブトが食って来る。 ”サメサイズ” 以外をリリースしながら、デカバンへの期待を込めて釣りを続ける・・・。
すると、ようやくマキエが効いたのか、本流のド芯で尾長が竿を引ったくっるようになった。 待ちに待った時合の到来である。
その後、「これはっ!」っと思わせるようなデカバンこそ出ないものの、その魚影の濃さ故にドンゴロスの膨らみは徐々に増していった。
午後13時40分、ブラックカイザーの見回りTime! 満タンのドンゴロスを持って船に乗り込み、クーラーに魚を入れる。
そして、カイザーが去った後、小サメの本命潮である上げ潮は強烈な下げ潮に転じる事になった・・・。
この下げ潮、「大サメ」には邪魔者なしの本命潮となるが、「小サメ」にとってはかなり難しい潮・・・。
潮が「大サメ」の方向に回り込んでいくので、沈み瀬や磯が邪魔になり釣り辛い事この上ないのである。
しかし、その釣り辛さを攻略して仕掛けさえ入れられれば、45Upの尾長がガンガンと当ってきて、その中には口太の姿はない。 口太・尾長の摩訶不思議な入れ替わりだが、この尾長・・・良型ゆえに取るのが一苦労。
食ってくるのが、「大サメ」の右端なので取り込み難い事この上なく、海苔だらけの狭い足場に飛び渡って先端まで魚を迎えに行ったり、1mにも満たないシモリとシモリの間を無理やり巻き取ったりと、かなりデンジャラス・・・。
取れる取れないは時の運、ハリス・道糸の消耗戦・・・そんな釣りが続いたが、型に恵まれていつしかドンゴロスは2回目の満タンに・・・。
再び、自立しスタンディングドンゴロスとなった。 V(`∇´)V
午前中とは正反対である尾長主体となった午後以降の釣果。
強烈な引きを呈する尾長のパワーに対し、真っ向から対抗した二の腕は乳酸で溢れ疲労困憊・・・。 足腰もフラフラである。
休みたい・・・でも釣りたい・・・。 そんな妙な思いが交錯した午後17時30分過ぎ、ブラックカイザーが来磯。
重いドンゴロスをズルズルと引き摺りながらカイザーに乗り込み、十二分に堪能した「小サメ瀬」に別れを告げる・・・。
今夜からは冬型が強まりシケる予報。 ブラックカイザーは北西風を避けられる磯を探すため、再び女島方向に舵を向けた。
■針古横
カイザーが今夜の宿にと送ってくれたのは、「針古横」。
北西風を避ける事ができるので冬場にはお馴染みの磯である。
過去、2009年の3月にクロ兵衛さんと一緒に乗った事があるが、良いウオは釣れなかったと記憶している。 風裏の磯だけに上礁する人も多く、磯のタイドプールにはゴミが錯乱し異臭を放っていた。
「小サメ」の疲れからか、すぐに夜釣りをする気にはなれず、取り合えず栄養の補給! 持参した焼肉セットを取り出し、ゴージャスなお食事Time!
お腹が一杯になったところで夜釣りの準備を開始する。
ところが、腹の皮突っ張れば目の皮弛むの格言どおり、強烈な睡魔に襲われた。
おまけにパラパラと雨まで降り出す始末。 雨・風・睡魔・・・この3点セットには、さすがに勝てず少々眠る事に。
風が避けられる岩の壁にもたれかかり、シートを被って目を瞑る・・・。 夢だけを見たような朦朧とした時間を経て、目が覚めたのは翌午前2時過ぎだった。 既に雨は上がっており、雲の切れ目に星が見える・・・このまま寝ようかとも思ったが、折角の男女群島である。 ゴソゴソと起き出して夜釣りの準備を始めた。
本来ならば「二重鼻」向きのワンドに釣り座を構えたいところ・・・。
しかし、回りこむ風が正面から吹き付けるので竿を出すにはキツ過ぎる。
そこで、風を背に受ける側・・・「針古瀬」向きの水道を狙ってみた。
過去の経験上、小さな水道にも夜は尾長が潜んでいる事が多い。
数は期待できないが、60Upの大物を狙うべく強靭な仕掛を放り込んだ。
潮はほぼ停止状態で仕掛けは風波を受けて微妙に動く感じ。
足元の瀬に道糸が引っ掛らないように注意しながら、ユラユラと妖しく光るケミホタルを見守っていると、その光がゆっくりと海中に入っていった。
「何ぢゃ!?」
手応えのないアタリに対してヤル気のない合わせを入れる・・・すると、上がって来たのは夜釣りの定番であるハタンポ君。
心なしか良型である・・・。(笑) そのハタンポ君、群れで居座っているようで、執拗にエサを取ってくれる。
生命感溢れるハタンポ君であるが、実は尾長のソナーになる事があるのだ。 「これが食わなくなった時がチャンスぢゃ・・・!」
その時を信じて我慢の時間とばかりに仕掛けを打ち返す。 すると、午前4時10分・・・今までのハタンポの猛攻が嘘のようにおさまり、サシエが丸残りになるように。 明らかに変わった状況に ”らしきウオ” の存在を信じてマキエを打つ手に力がはいる。
ウオにアピールするため、サシエを抱き合わせて2尾付けた次投・・・。
ウキは馴染んだ瞬間に海中に突き刺さった!
イスズミを思わせるような流星アタリ・・・頑強一番のタックルを信じて、問答無用のヤリトリである。”ガゴゴゴッゴン” らしくない引き味にイスズミを確信!
「うおぉぉりゃぁ〜!」 ・・・っとばかりに磯上にブリ上げた。
キャップライトを照らして魚体を確認、それは銀色の悪魔イスズミではなく、45cmは優に超える、茶褐色の尾長君だった。 V(`∇´)V
「やっぱりおった! V(`∇´)V」
水道筋に潜む夜尾長・・・我が経験則が証明でき、独り自己満足に浸る・・・。
そして、次の一尾を狙うため再び水道に仕掛けを放り込んだ。
■撤収・・・
やはり小さい水道には数が居ない・・・。 By yukimaru経験則
期待した2発目のアタリは無く、朝の見回りで貰った配給弁当を食べ集中力の維持に努める。
風は更に強さを増しビュービュー状態・・・とても「二重鼻」側にて釣りが出来る状況ではない。
「針古瀬」との間の水道を丁寧に攻める気にもなれず ”ボー” としていたら、再びブラックカイザーがやって来た。
そして、マイクで 「yukimaruさ〜ん・・・ 撤収! 帰るよ〜!」 両手で了解の合図をして、撤収の開始!
ドタバタと出来る範囲の清掃をしてカイザーに飛び乗った・・・午前7時過ぎの事である。
←遠征釣果!
当日はシケる一方の予報・・・。
あの風では釣りにならないと判断・・・帰りの海況を考えて早めの撤収を決断したらしい。
風裏の「針古横」であの強風である。 撤収は正解であろう。
今回の男女遠征・・・尾長口太合わせて35枚をKeep! リリース分を含めるとかなりの数になっていただろう。
小型化する男女の魚・・・60Upは出なかったものの、数釣りが楽しめた遠征であった。
やはり男女群島は最高の釣り場であるね・・・。 ψ(`∇´)ψ ケケケッ
Tackle & Data | ||||||||
釣行地 | 男女群島「下の赤瀬」「小サメ瀬」「針古の横」 22日15時出港〜24日午前7時30分撤収 |
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気象 | 23日 | 北西 | 中潮 | 04:35 | -20cm | 15:02 | 33cm | |
曇り | 強風 | 佐世保 | 10:56 | 285cm | 23:00 | 266cm | ||
釣り方 | フカセ釣り | |||||||
タックル | がまかつ | (夜) パワースペシャルFukase5号 (昼) マスターモデル尾長H |
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シマノ | (夜) BBX−テク8000番 | |||||||
Daiwa | (昼) 09トーナメント競技 50thスプール | |||||||
道糸 | (夜) バリバスゼロフカセ 8号 (昼) バリバスゼロフカセ 3号 |
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ハリス | (夜) サンラインVハード8号 (昼) サンラインブラック3号〜4号 |
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タ ナ | 2ヒロ〜 | |||||||
エ サ | マキエ | オキアミ生6Kg+ボイル3Kg+ジャンボ1角 ×3セット オキアミ生6Kg グレパワーV9 3袋 |
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サシエ | 生、ボイル、加工エサ | |||||||
釣 果 | オナガ・クチブト 35枚 (35cm〜51cm) サバ 1本 | |||||||
備 考 | ||||||||
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