タイトル

  2014年2月23日~26日
 男女群島遠征「古賀のスベリ」~「マルヒ4番」


男女群島二泊三日の旅

今年2回目の男女群島遠征は2月23日(日)から二泊三日の航海。最終日の天候を考えると前日からの航海が望ましかったが、週末が久々の凪予報のため「あじか磯釣りセンター」は満員御礼。 前日に出港する船は無く、奥様に勧められた日曜日からの航海となった次第である。今回はハナっから二泊三日の遠征日程。 通常の遠征日程より一泊分食糧が多くなるので、途中の買い物時間を考慮して、少し早目に高島師匠と広島を出発。ウキウキと弾んだ心は400Km余りの距離を感じさせる事はなく、出港地となる田平港に到着したのは午前11時を少し回った頃だった。 早速、新事務所にお邪魔してみると、事務所の休憩室には、昨年の遠征で同船したHさんや今年1月の遠征で「小サメ」におられたSさんがおられワイワイと話しは盛り上がる。そして、何故だかHGである高島で見かける顔もチラホラと・・・。遠い長崎での再会は全くの偶然だが、釣り好きの考える事は同じだな・・・ そう思うと心の奥底で笑みがこぼれた。

あじか

本日の出船は折り返し運航となるサムソン、ヘラクレス、カイザーの3船で二泊三日組の我々はブラックカイザーとの事。予約の電話を入れた19日の時点での人数は8名だと聞いていたが、今や70名あまり・・・。毎度の事だが、この摩訶不思議な人数の増え方はある種のマジックである。

15時30分出港

我々を乗せたブラックカイザーは3船の「しんがり」にて田平港を出航。 船尾のベッドで微睡む事、3時間30分余り、男女群島の男島に到着したのは19時過ぎの事だった。 ブラックカイザーは「上の赤瀬」にホースヘッドを押し付け、韓国の団体組を次々に下ろす・・・。 辺りは夜の帳が下りて真っ暗け・・・走りだしてからは、何処が何処やら明確には解らなかったが、西側の磯と水道筋を主に展開。 サムソンとヘラクレスが先に到着しているので、名の通った有名どころの磯は空いていない模様だが、山見船長は丁寧な操船で磯を探索・・・。 Hさんメンバーを「荒磯かぶり」に下ろし、中ノ瀬戸を突っ切る途中で我々に声が掛かった。
「yukimaruさ~ん 行きましょう!」
山見船長が我々の先陣の磯に選んでくれたのは 「古賀のスベリ」。滅多に乗れない磯だという知識はあったが、乗ってみて納得。磯は名前のとおり滑り落ちるような形状で海に突き刺さっており、陣笠だらけの磯上はで常に波を被っている事を簡単に想像させてくれた。
「フナツキはヤバイ・・・」
二人の経験則がそう感じさせたので、急な斜面をヒーヒー言いながら荷物を高場に繰り上げる。そして、一段落したところで、高島師匠と今航海の安全を祈願しお神酒で乾杯! 安全祈願が終わったところで、頑丈一番の夜タックルをロッドケースから取り出して頑強仕掛けをくみ上げる。それぞれの準備ができたところで高島師匠が中ノ瀬戸側、私が「ハナグリ島」側に釣り座を構え、夜釣りの火蓋を切って落とした。

ツマ先下がりの足場に置いたバッカンからマキエをすくって足元に撒く・・・日中ならマキエの流れで潮を読むのだが、今は見えない夜釣りなので頼りになるのは蛍光色に光るケミホタル・・・。その煌々と光る仕掛けを放り込み、その動きを見守っていると潮はけっこうな勢いで当て気味に入っていた。磯際に群生する陣笠と道糸とのコンタクトを気にしながらの磯際釣り・・・潮の当て具合が強いため、上手く仕掛けが落ち着かない。そして、たま~にウキを沈めてくれるのがハタンポや金魚の一族という厳しい展開。 
「ほかに釣りやすい場所は無いかいな・・・。」 
そんな事を思いながら難儀な釣りを続けていると、磯際で発光していた蛍光色のケミホタルが今までにない強さで海中に入っていった。興奮を抑えながらゆっくりと竿を起こすと、確かな重量感が竿に圧し掛かかる。ガゴンガゴンと引き回るウオ・・・しかし、男女夜釣り用のスーパーウェポンを唸らせるような相手ではなく、格闘虚しく磯上にその体躯を横たえることになった。キャップライトを当てて魚体を確認。それは、狙いのオナガではなく45cmはあろう良型のクチブトだった。同種の魚とは言え、ガックリ感は否めない。気を取り直すべく次投はタナを少し浅くして放り込む・・・ユラユラと怪しい光を放つ我が分身はナマリと潮の抵抗を受け、海面にドッシリと座るが進む方向は当て方向。道糸を巻き取り、張りを入れてウキの動向を見守るとジワリジワリと海中に入っていった。
「アタリか・・・?」

疑心を抱きながら合わせをくれる・・・すると、相手もビックリしたのか、けっこうな力が返ってきた。上がってきたのは夜の本命、オナガ君。長寸よりも体高の高さが目につく魚だった。

クチブト

オナガ

オナガグレ

当て潮の流れが強く釣り難かったのでタナを浅くしてみたのだが、結果論的にはこれが大成功。その後もオナガのアタリは連発・・・23時過ぎには、タモ出動となる52cmのオナガ食ってきてくれた。どのアタリもすこぶる明確で喰い渋りの気配はない・・・。
このままの時合いが続けば・・・っと思っていた矢先、ユラユラとした残像を発しながら海中に潜航していくウキが一気にピューン!そして、次の瞬間にはスプールから道糸が弾き出た。大きく合わせるまでもなく、竿には強烈な荷重が圧しかかり、半ば伸され状態。

新調したばかりのレマーレのレバーを操作し、竿の角度を修正したところで武器を腰矯めに構えて戦闘開始。得体の知れぬ大物の力を受け止めている我が愛竿は胴からヒン曲がり、その強靭な反発力で相手を浮かせにかかるが、敵もさるもので青物チックな走りを披露。底において強烈に引きまくる引き味にイヤ~な感じは否めないが、「巨な本命」 という望みを持って、出したり止めたりの忙しいヤリトリを駆使・・・。すると、さすがに敵も疲れたのか、足元にその姿を晒すことに。覚悟はしていたものの、その姿を見た瞬間、出ていたアドレナリンは一気に消沈。タモにてすくい取ったは「ドンゴロス クラス」 のサンノジ君。オナガ連発の後だっただけにテンション急降下の一尾となった。

サンノジ

水入りを予想させたサンノジとの戦いの後も本命である夜オナガはポツポツと食ってくる。このまま、このペースで釣りを続ければかなり釣れるであろう。しかし、つま先下がりの足場は時間の経過と共に容赦なく足の力を奪っていき、事務所に戻っては座り込んで休憩する事も多くなった。今回は二泊三日の長丁場。休憩と釣りの時間配分はかなり重要なので、食事をとって少し仮眠する事にした。 食べたのはいつもの定番である「鍋焼きうどん IN玉子」 。空腹が満たされ、お腹の中から暖を取ったところで、寝袋の中に入って空を見上げる。すると、漆黒の闇に散りばめられた数々の星群が眠りへの扉を優しく開けてくれ、いつしか意識不明に・・・。不覚にも目が覚めたのは4時間後の午前6時過ぎだった。

鮭雑炊

寝袋に入っていると、その温もりでいつまでも寝ていられそうな感じ・・・なので、未練を断ち切るかのようにゴソゴソと寝袋から這い出して寝具一式を速攻で片付ける。 そして、片付けを終えアウターを着込んだところで朝食を摂る。 メニューは前回の遠征にて、その美味に気づいた「鮭のむすび」を使って作る「鮭雑炊」。今回は高島師匠に「雑炊の元」 をいただいたので、それに持参した玉子を加えて「鮭むすびの雑炊 IN玉子」とシャレこんだ。前作に比べると今回の雑炊はかなりのバージョンUP! 雑炊の元の濃い味に玉子の栄養素が加わり、その美味しさは格別。 我が眠たいお目目を見開くには余りあるゴージャスな朝食となった。

身も心も温まったところで昨夜の釣り座に戻り釣りを再開・・・。 東の空が薄らと明るくなりかけてはいるが、まだまだ暗い海。 すっかり光量の落ちたケミホタルを手に取り仕掛けを放り込むと、今が 「朝マヅメ」 を体現するかのように、良型のオナガが仕掛けを引っ手繰る・・・。 連発する獲物にドンゴロスは既にスタンディング・・・潮は相変わらずの当て潮で釣りにくいが、釣果だけで考えると、この磯のポテンシャルはかなり高い感じ。
「どんな磯なのだろう???」  明るくなるのが待ち遠しく思える時を過ごした。

Day Attack!

午前7時過ぎ 明るくなったところで「古賀のスベリ」の磯の全貌が明らかに・・・。 磯の周辺は起伏の激しい数々の沈み瀬でガッチリと守られ、その瀬の間を所狭し! ・・・っとばかりに下げの激流がヨレや湧き上がりを伴って「帆立岩」方向に流れていた。 なるほど・・・この沈み瀬のおかげで根掛かり頻発。 夜なので、この本流の激流筋が解らなかったのだが、今はハッキリと見てとる。

中ノ瀬戸の潮

このド・本流を流さない手はない・・・って事で、タックルや仕掛け類は変えずに流してみることに。 狙いを定め、少々の遠投を施して流れのド芯にウキを置いてみると、今まで何してたの? ってな感じでゴンゴンと仕掛けは流れ、リールのスプールからはスルスルと道糸が引き出された。 スプールを指の腹で押え、適度なテンションを掛けながら道糸をコントロール。 すると、明らかに違うチカラで道糸がスプールから引き出されたので・・・「すわっアタリ!」っと大きく竿を起こし、2度3度大合わせをくれてやって戦闘開始! 腰矯めに構えた竿は天下無敵の5号竿! 激流の抵抗と相まってかなりの引きを披露してくれるが、腰の位置に構えた夜用タックルの敵ではなく、最近、新調したレマーレのパワーに任せてゴリン・ゴリンと巻き取って、磯上にブリ上げたのは激流で鍛えられたであろう、スマートな体躯のオナガだった。

本流の中のオナガ

午前8時過ぎ・・・ブラックカイザーの見回り時刻。
ドンゴロス一杯となった釣果を船に預け、代わりに昼用のエサと必要量の飲み物を下ろしてブラックカイザーを見送る。 今からがDay Attack の開始。 不要になった夜用のタックルをロッドケースに納め、昼用のタックルを取り出して仕掛けの考察に試案六法ホトトギス・・・。釣るポイントは目の前にある激流。本流のオナガが十分に狙えるのでラインは4号、そして、ウキの浮力は関係なさそう・・・ってか必要なさそうなので、久々にグレックスの00を選択してみた。 ハリスの直結部に過負荷となる3Bのナマリを打ち、タナを3ヒロに設定して仕掛けを目の前の激流に放り込む。


数メートル流れたところでウキは激流に揉まれて潜航を開始。スプールからパラパラと出ていくラインにテンションを掛けながら見守っていると、一気にラインが走った!激流ゆえに竿は一気に満月。抵抗感は相当なモノだったのだが、上がってきたのはオナガ君ならぬクチブト君。激流の住人オナガ君を期待していたので少々のガックリコンは否めないが、この激流の中はクチブトの団体が巣食っているようで、その後も型は小さいながらも順調に竿は曲がる事になった。結局、干物作成用の小型クチブト10枚をキープし、その後は釣ってはリリースの繰り返し。サイズUpを目論み、タナを変えナマリの大きさを変えて激流の中を探索してみたが、良型と言えるようなオナガが喰ってくる事はなく、お昼の見回り時刻になった。 ここで、この磯に居残るか替わるかの選択となったのだが、強烈なつま先下がりの岩場を歩くのにも疲れたので「古賀のスベリ」の撤退を決意! 荷物を纏めてブラックカイザーを待つことにした。

カイザー 見回りに来たブラックカイザーに乗って「古賀のスベリ」を後にした我々は、ゴソゴソとクーラーをまさぐり昼食の準備を・・・。 その間、ブラックカイザーはハナグリ島のお客さんを回収し別の磯へと送り届けていた。 そして、「yukimaruさん、行きましょう!」 の声が掛かったのはハナグリ島は「石塚」を通過した所だった。山見船長が次の磯へと選んでくれたのは、女島は「クズレの表彰台」 。 本で読んだような記憶はありますが、乗るのは初めて。 何となく磯を見て回ると、ここが釣り座ぢゃ!っと言わんばかりに打たれたアンカーが・・・。雰囲気から察するに底物釣り場なのだろう。迷う事の無い釣り座があるのだから、早速釣りを開始するべきではあるが、今遠征は二泊三日で時間タップリ。 なので、船から下ろした焼肉セットで先に栄養を補給する事になった。

焼き肉セット!

ハナグリ瀬戸

今回は高島師匠が用意してくれた島根牛にホルモンセット!それをインスタント炭火コンロで焼きながら、ビールを食らって、 「あーだ・こーだ」と話しまくり・・・。そして、気分もお腹も満腹になったところで釣り座に付いて釣りを開始!しかし、ここでの獲物は35cmクラスのクチブトのみで、小さいイスズミの集団に翻弄されまくる事に。夜はデッカイのが食いそうな感じではあるが、二人の気分はイスズミ・ラッシュにて激低。結局、夕刻の見回りで磯を替えてもらう事に。こんなことなら「古賀のスベリ」に留まっていれば良かった・・・。 後の後悔なんとやらであるが、今更ながら瀬替りの難しさを痛感することになった。

吉田から帆立岩

山見船長が今夜の宿にと選んでくれた磯は中ノ島の東岸に位置する「吉田のクズレ」。ご存じ「吉田シリーズ」の磯群の一つだが、この「吉田のクズレ」はハナレ磯となっており、これまた異様な程に傾斜しているので、とてもゆっくりと寝られそうにはない。しかし、帆立岩方向に流れる潮が良い感じなので、釣果は期待できそうに感じた。時間が時間なので、早速、夜用のタックルを組み上げて、帆立岩方向に仕掛けを放り込んでみる。仕掛けはユルユルと瀬戸方向に流れイイ感じ。太仕掛けに疑心暗鬼を抱きながらウキを見守っていると、太仕掛けにも関わらず、小型のイスズミが喰ってきた。太いハリスをイスズミは嫌うハズなんだが・・・。不思議に思ったのでマキエを打って辺りを観察。すると、打った方向のあちこちに大量の波紋を発見。どうにも、イスズミの大群が集結している様子。明るいうちはとても太刀打ちできそうにないので、マキエをパラリと撒きながらのビールTime!ついでに腹も減ってきたので、船から配給のあった白米弁当を食べることにした。今夜のオカズは、「金ちゃん焼きそば」「サンマの缶詰」。 その食材を平らげ、満腹になった頃には既にドップリと日は暮れていた。

サンノジ

自分が「帆立岩」側に、高島師匠が「真浦」側に釣り座を構え釣り開始! タナを3ヒロに設定して頑強無比の仕掛けを放り込む。明るいうちは波紋が出来るくらい跋扈していたイスズミも今や就寝中なのかサシエは無傷で帰還。これと言った変化の無い釣りが続いていたが、20時30分・・・海に馴染んだケミホタルの光が斜めに走ったと同時に竿に激震がドン!一手遅れての大合わせ・・・ガゴンガゴンと引きたくるウオの力は尋常ではなく、肝心な主導権争いに敗れそうな感じ。何とか先手を・・・腰に構えた強竿を引き絞って応戦すると、一気に瀬戸方向へと走り出した。
「メダイか・・・・・???」


訳の分からん引きにメダイを連想・・・しかし、そこまでの重量感はない感じ。頭に?を描きながら、巻いては出してと一進一退の攻防が続いたが、やっとこさ地よりの水道側に誘導する事に成功!キャップライトを当てて魚体を確認。するとそこには、見事なアディダスマークが。 「またコヤツか・・・・・・。」
今遠征、2枚目の60級サンノジ君。強烈なヤリトリによってアツクなっていた身体だが、一気に冷めることになってしまった。この磯にてまだ一枚も釣っていない本命君。その存在に疑念を抱きながら、再び「吉田のクズレ」の海にサシエを放り込む・・・。

ウキの回りにドバっとマキエを打ち仕掛けを送り込む。1号ナマリの全負荷を背負ったケミホタル付きのウキはユラユラと妖しい光を放ちながら海面下に潜航を開始。仕掛けの馴染みは上々。ちょっとした外力が加わっても綺麗にその反応を指し示すであろう・・・。そのちょっとの外力が加わる事を信じ望みながら妖しい光を見つめ続ける。スプールに指を掛けて道糸の動きを抑制、マキエを撒こうとバッカンに目を向けた瞬間、大きな力で竿先が持っていかれた!長い経験からくる反射作用で合わせると、豪竿5号の胴が一気にヒン曲がった。その強さは先ほどのサンノジと同様でガゴンガゴンと引きまくる。糸は出さん!と心に決め、ウオの頭をこっちに向けるべく竿を引き締めると、さすがに疲れたのかゆっくりと方向変換。

デカバン

竿を寝かせて半ば無理やり地よりの水道筋に誘導、そして、一気に浮かせてキャップライトで魚体を確認、ハァハァ言いながらタモに入れ込んだ。久々のデカバンに興奮必死でスケールを当ててみると、60cmに5mm足りない59.5cmのオナガ君。「吉田のクズレ」にて価値ある一尾となった。

朝の見回りで「荒磯かぶり」へ・・・

午前8時30分、朝の見回りに来たブラックカイザーに乗って磯替り。今回はやたらと磯を替るので山見船長の頭も「?」てきな感じだったが、次に連れて行ってくれたのは、中ノ瀬戸に浮かぶ「荒礒かぶり」「仲尾瀬」からハグレてしまったような妙な磯だが、ここもベタ凪限定、滅多に乗れない一級磯。そのイビツな足場ゆえに夜は乗りたくない磯だけども、豊富な潮流の恩恵を受けて、日中からでもガンガン尾長が当ってくると言われるポイントなので自然とヤル気は急上昇。

取りあえず、船から配給された白米弁当にて腹ごしらえ。 そして、お腹が充実したところで昼用のタックルを取り出し、マキエを撒いて仕掛けの考察。今は下げの時間帯で「SOS」方向から当て気味に入った潮が「チョンボ」方面にユルユルと流れていた。マキエの沈降が早くはないので、B負荷程度のウキを選択。タナを3ヒロに設定して「SOS」方向に第一投を放り込んでみる。妙な当て潮なので道糸の扱いに気を使うも、潮の軽さを仕掛けの力で打開できず、上手くサシエを流せない。時間が経過してもその状態は変わらず、歓迎されないウオが次から次へとウキを沈めてくれた。状況を打開しようとあの手この手を繰り出してみるもナカナカ思い通りにはならずまさにお手上げ。なので、ビールを喰らって潮替りを待つことにした。

荒磯かぶり

時間のある余裕からか、かなり弱気な選択ではあるが、潮を待つのも釣りである。(笑)

潮流

グルクン

午前11時30分、潮はゆっくりと上げ方向に変化。当て気味に入って来ていた潮は「佐藤瀬」へとぶつかるゴンゴンの強い潮となり見るからに釣れそうな感じとなった。早速、仕掛けを潮に乗せてみると、潮に馴染んでゆっくりと潜航を開始しようとしたウキが一気に海中に走り竿引きのアタリが襲来!久々のらしきアタリに興奮丸出しで大きく合わせると、確かな重量感がマスターモデルに圧し掛かった。潮に乗った重くゆっくりとした抵抗を披露しながら上がってきたのは40cmを楽に超えるクチブト君・・・。磯替り直前から苦戦しただけに嬉しい捕獲となった。 そして、その後も流石は潮流豊富な中ノ瀬戸・・・!潮が変わってからは仕掛けを放り込む度に大きさの大小はあるものの、順調に竿は曲がってくれて、ドンゴロスの膨らみは徐々に増していく事になった。

上げ潮

クチブト君

16時50分 ブラックカイザー 夕刻の見回り

大きさに難はあるものの、順調にクチブトは喰ってくる。おそらくは夜のオナガの期待度も高いであろう。しかし、この磯、休む処がほとんど無くジジイの夜釣りには全く向いていない・・・。なので、夕刻の見回りで磯を替えてもらうことにした。約8時間余り滞在した「荒磯かぶり」を離れ、山見船長が今夜の宿にと選んでくれたのは「マルヒの4番」。何度か上礁したマルヒ一帯だが、ここ「マルヒの4番」は60Upを捕った事もある縁起のイイ磯。なので、嫌が応にもヤル気は急上昇となった。まだまだ昼釣りでもイケそうな明るさではあるが、夜用の頑強タックルを準備。高島師匠は何やら試したい事があるようで、昼用のタックルを再び組み上げて磯の先端に陣取り釣りを開始した。

マル秘一帯

高島師匠がんばる

何を試していたのか、とても興味があるところだったが、どうにも竿を曲げてくれるのは良型の三ちゃんのみの様子・・・。 見ている方はヤリトリが面白かったのだが、本人はかなりガックリコンとなっていたようであった。(笑)

おでん

そんな感じで夕刻の僅かな時間を費やしていたのだが、日がドップリと暮れたのを頃合いに、ロッドケースから頑強タックルを取り出し鬼の仕掛けを組み上げる。直ぐにでも夜釣りを開始したいところではあるが、腹が減ってはなんとやら。持参した「おでん」をおかずにして船から配給されたお弁当を食べることに。そして、空腹が満たされたところで「マルヒ」における夜釣りの開幕。タナ3ヒロ~竿1本半の間で仕掛けを流してみるが、ウキを沈めてくれるのはハタンポに金魚の一族。本命からのアタリが無いまま時間だけが経過していった。打開策の見えないマンネリ化した釣りに加え、二泊三日釣行の3夜目ともなると強烈な睡魔が間断なく訪れる・・・が、降り出した雨のおかげで、簡単に寝る事も叶わず。 (´Д`;)/ヽァ・・・


そんな、気合が入らない釣れない釣りを続けていると、高島師匠が先端の釣り座で大メダイの激震をキャッチ!その豪快なメダイ相手のヤリトリは見ていて新鮮で、何よりとても面白そうだったので、我がヤル気も一気に急上昇!そんなヤル気の起きたタイミングがたまたま良かったのか、海の女神は我を見捨てず・・・ウキがゆっくりとモって行く微妙なアタリを掛け合わせるとyukimaruの竿にも大きな荷重がドン!その強烈無比な引き味でワンドの奥まで一気に疾走したかと思うと急に反転・・・相変わらずのトンチンカンな剛力無双をタップリと披露。あっちに行ったりこっちに行ったり。その度に足場の移動を余儀なくされ、かなりデンジャラスなワンシーンもあったが、何とか高島師匠の構えたタモにIN。

メダイ

一発で目が覚めるくらい面白かったのではあるが、メダイの剛力のおかげで我が二の腕は乳酸まみれ・・・。この勢いに乗じて次に続け・・・っと奮起したのであるが、メダイは何本も必要ないし、これを契機にオナガが釣れる訳もない。夜半から振り続けている雨も弱まる事を知らないようなので、朝の見回りで、ブラックカイザーに撤収することにした。結局、「マルヒ4番」での獲物はメダイのみ・・・。西磯「マルヒ」にしては面白味に欠ける一晩となってしまった。

午前4時、ブラックカイザーが来航! 納竿する旨をポーターに告げて船室にシケ込む・・・。その他の磯の見回りを済ませたところで、山見船長の手料理をおかずに朝御飯をいただき、船尾のベッドに倒れ込む。船の心地よい揺れはまるで揺り籠・・・次第に意識は遠のき、目が覚めたのは平戸大橋の手前だった。


オナガグレ

オナガグレ

メダイ

  • ・ 西の風 凪 晴れ/曇り 小潮
  • ・ 渡船 ブラックカイザー
  • ・ フカセパワーSP5号 道糸8号 ハリス8号/10号 ウキ1号 ハリ夜釣り王6号、タナ3ヒロ~竿1本半
  • ・ マスターモデル尾長H 道糸3号 ハリス3号 ウキ2-2/BB-3B ハリ速攻8号、くわせ8号/8.25号 タナ2ヒロ~3ヒロ
  • ・ (オキアミ生9kg+地アミ1角) ×6セット グレパワーV9お特用3袋
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