男女群島は長崎県田平港(平戸口)から南西約190kmの所にあり、北東~南西方向に向かって男島、クロキ島、中ノ島、花栗島、女島の5島から形成され、群島の総面積は4.75km2、最高峰が女島の海抜283mとなっています。 海岸線は岩礁をめぐらせて、名前のある磯だけで軽く200を超えており、北東~南西方向に延びているため冬場の北西風に強いのが特徴です。 そんな釣り人の収容能力の高い男女群島は黒潮による暖流の恩恵を受けるため魚種が豊富で大型が多く、メジナやイシダイの好釣り場となっています。 メジナなどの上物系は1月~3月、イシダイ・アラの底物系は4月~7月が一般的に良いと言われており、青物系は10月頃が好期と言われていますが、ヒラマサなどは冬場でもガンガン当たってきますので昼釣りといえどもタックルの強度には注意が必要です。 今回のこの男女群島遠征マニュアルは冬場の上物釣りをターゲットに書いています。 読まれた方が男女群島に興味を持たれ、遠征を計画された際の参考になれば幸いです。
男女群島は未だに携帯電話の圏外で最新鋭の高速船でも約3時間かかる離島ですが、完成された渡船システムが安全な遠征釣行をサポートしてくれます。 どの渡船屋さんも原則として渡船代金は同じですが、出港する港や出港時刻が違いますので自宅から渡船基地までの交通の利便性を考えて選択した方が良いでしょう。 主な渡船業者は以下を参考にしてください。
渡船業者名 | 出港地 | 電 話 | 備 考 |
---|---|---|---|
あじか磯釣りセンター | 長崎県平戸市田平港 | 0950-57-0883 | 4隻体制 |
バラモン | 長崎県佐世保市浦頭港 | 0956-58-3993 | |
スーパーウィン | 長崎県長崎市新長崎漁港 | 0958-41-1566 | |
チャレンジャーひりゅう | 長崎県長崎市新長崎漁港 | 0950-22-5456 | |
キングチャレンジャーひりゅう | 長崎県長崎市新長崎漁港 | 0950-21-0123 | |
大志丸 | 長崎県平戸市白浜港 | 0950-23-3722 | |
日ノ出丸 | 佐賀県唐津市呼子港 | 090-3198-5991 |
男女群島への遠征日程には「日帰り」、「一泊二日」、「二泊三日」の3種類があります。
通常、予定通りに日程を消化できた場合、「日帰りで一泊」、「一泊二日で二泊」、「二泊三日で三泊」 磯や船で夜を過ごすことになります。 世間一般に表現する宿泊数より一泊多くなるので注意してください。 なお、出港時刻や納竿時刻は季節や天候によって大幅に変わるので必ず渡船業者に確認を取ってください。
最もポピュラーな遠征日程が一泊二日となりますが、できれば客の多い週末や連休日を避けた平日釣行をお勧めします。 天候の事もあるので、1日程度は余裕を持った日程を組み立てましょう。 体力に自信があれば絶対に二泊三日釣行がオススメです。 くどいようですが、出港時刻や納竿時刻は時々で変わるので必ず確認をしてください。
平成25年2月現在、男女群島までの渡船費用はどの業者も同じ価格となっています。 エサの量については個人によって違うので、私の一例を参考に不足分を加えてください。 例) オキアミ9Kg + アカアミ1角 + 配合剤1袋 + サシエ : 1セット(計)¥4,000円 ※ エサ1セットを土のう袋に入れて大きな文字で名前を書き、見回り時に必要量を船から下ろします。
遠征日程 | 渡船費用 | エサの量(参考) | エサ代金(参考) | 合計代金(参考) |
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男女群島 日帰り | ¥35,000円 | 2セット | ¥8,000円 | ¥43,000円 |
男女群島 一泊二日 | ¥40,000円 | 3セット | ¥12,000円 | ¥52,000円 |
男女群島 二泊三日 | ¥50,000円 | 5セット | ¥20,000円 | ¥70,000円 |
肥前鳥島 | ¥45,000円 | 3セット | ¥12,000円 | ¥57,000円 |
※ 船に積み込む前の大量のエサ
初めての男女群島遠征で一番、頭を悩ませるのが装備品。 瀬泊まりでの釣りとなるので、あれもこれもと荷物が膨大になりがちですが、夜使う物、昼使う物という感じに使用用途を見極めて個別にまとめ、船の見回り時に必要な物を必要量、船から下ろすようにしましょう。 荷物の個数を少なくしようと、何もかも大きなバッグ1つに詰め込む方もおられますが、緊急回収時には投げ渡しとなりますので、楽に投げられる大きさのバッグが無難です。 基本的に大きい1つよりも小さい2つが良いとされていますが、この大きさという特別な決まりはありません。 なお、下表は私のいつもの装備群です。 これで十分に二泊三日の遠征ができますので、参考にしてみてください。
① 磯バッグ | 28L前後 | 磯上げ |
② 磯バッグ | タックルバッグ | 夜磯上げ(寝袋) |
③ ロッドケース | 竿4本収納 | 磯上げ |
④ バッカン | 40cm | 磯上げ |
⑤ 予備バッカン | 40cm | 船(配合餌など) |
⑥ 防水バッグ | トートバッグなど | 船(着替え等) |
⑦ クーラー大 | イグロ72L | 船(魚を入れる) |
⑧ クーラー小 | 32L | 船(食料など) |
バッグの中身については、ここを⇒ 【遠征装備】 をクリック! 装備の一覧を記した 「PDFファイル」 が別ウィンドで開きます。
長丁場の釣りですのでクーラーは総じて大型となりますが、普通の磯釣りと大きく違うのが、魚を入れるクーラーは原則として磯に下ろさず船に積んでおくこと。 クーラーの代わりにドンゴロス(麻袋)を持って磯に下り釣果はそれに収めます。 そして見回りの都度、釣果をドンゴロスからクーラーに移すのですが、クーラーへの氷の充填は船に積んであるバラ氷を使って船長とポーターがやってくれますので魚の鮮度については安心です。 ちなみに、クーラーは船の横の通路に並べて置きます。 クーラーの上を磯靴を履いた釣り人がドカドカ歩き回りますので、上蓋はかなり痛みます。 保冷力は気になるところですが、高級クーラーは持って行かない方が無難ですね。
「俺は夜は寝るぜ!」・・・っと言われる方以外は昼夜通して釣ることになりますので、夜釣り用の強靭なタックルと昼釣り用のタックルを準備します。 竿はそれぞれの予備を入れて4~5本程度でリールも兼用可能な予備機があると安心です。 竿は夜釣りが4号以上(遠投竿でも可)で昼釣りは2号程度の竿が使いやすいと思いますが、夜釣り用の竿は何かと傷む事が多いので傷が付いても気にならない安価でゴツイ竿をオススメします。
以上で男女群島遠征(準備編)は終了です。 次はいよいよ実践へ・・・・・!